折り畳み自転車の中でも、いわゆるランドナー的な使い方が人気なTartaruga Type SPORT(タルタルーガ タイプ スポルト)。

荷物を積載できるモデルは他にもありますが、なぜツーリング用途にType SPORTが選ばれているのでしょうか。

本記事ではType-SPORTが輪行ツーリングに向いている理由を紹介しつつ、その独自の魅力に迫りたいと思います。

これから折り畳み自転車を始めてみたい方、輪行やツーリングに興味がある方はぜひご参考にしてみてくださいね。

◯そもそもType SPORTとは?

Type SPORTは2001年に設立された日本のデザインスタジオ
「Tartaruga EntertainmentWorks(タルタルーガ エンターテイメント ワークス)」が手がける折り畳み自転車です。

一見すると普通の折り畳めないミニベロにも見えますが、前後に備えた特徴的なサスペンション、合理的な折り畳み方法、
部位によって異なるフレーム形状など、細部を見ていくと作り手のこだわりが詰まっていることがわかります。

乗ってワクワクする乗り物という思いが込められた「E-VEHICLE = EMOTIONAL-VEHICLE(エモーショナル ビークル)」
の名の通り、乗ることで始めてその真価が体に伝わるモデルです。
言い換えると、乗らないと本当の良さを知ることができないモデルになります。

バリエーションは全部で3種類。フラッグシップモデルの「Type SPORT DX ver.1.5」、
ドロップハンドルを標準装備した「Type SPORT GT ver.1.5」、必要十分な性能の「Type SPORT SDver.1.5」があります。

ハンドメイドとも言えるほどの手間をかけて生産されるため、完売時には手に入らない時期が続くこともありますが、
一台一台丁寧に作られることで性能はもちろん、所有者の満足度が一様に高いことも特筆できるポイントです。

使い方に合わせて豊富な純正オプションパーツを組み合わせることで、街乗り仕様やキャンプツーリング仕様など、
簡単に”自分仕様”の折り畳み自転車が作れます。

◯Type SPORTが輪行ツーリングに向く3つの理由

輪行ツーリングをする自転車を選ぶときに考えておくべき要件はいくつかありますが、他の折り畳み自転車と
比較したときにType SPORTが輪行ツーリングに向いている理由は大きく分けて3つに絞れます。
その3つとは、
①荷物がたくさん積める
②しっかり走れる
③ちゃんと折り畳める
です。

ではさっそく順番に見ていきましょう!

①荷物がたくさん積める

Type SPORTが輪行ツーリングに向いている1つ目の理由は『荷物がたくさん積める』ことです。
その際に要となるのが、純正オプションパーツのリアキャリアー。

Type SPORTのリアキャリアーは最大積載量10kgの性能をもち、上に荷物を置けるだけでなくサイド部分には
パニアバッグが装着できるように設計されています。また、パニアバッグが重みで内側に傾いてタイヤに
接触しないようにパニアアダプターが標準で付属します。

これにより、両サイドにはパニアバッグを装着して上にはバックパックを積載するなど、キャンプツーリングの際に
荷物満載で走りたい場合にも活躍します。

さらに、純正フロントキャリアーを装着することで、往年のランドナーを彷彿とさせるバッグが積載できるようになり、
積載容量の増加に加えてクラシカルな雰囲気も楽しめます。

・剛性が高い

荷物満載で走れる折り畳み自転車と聞くと、剛性が気になる方も多いと思います。
荷物を積むType SPORTを支えるのがフレームの剛性です。

Type SPORTが発売されてから生産と完売が繰り返される中で、荷物を積載しつつロングライドを楽しむユーザーが
増え続けています。多くのユーザーが満足していることからも剛性の高さが読み取れますが、
ここではフレームの強度に関して行われている生産の裏側をいくつか紹介します。

Type SPORTのフレームは、最終デザインの決定に至る段階で、幾つかの強度試験を経ています。
物理的な力を与えて壊れない強度にするため、合格するまで改良を繰り返しています。

専用治具を使いながら正確な溶接をする際に、熟練の技師が熱によるフレームの歪みを1台ずつ微調整しながら
作り上げています。生産には時間がかかりますが、確かなフレームが生み出される大事な工程です。

このように膨大な手間をかけて作られるType SPORTだからこそ、
安心して楽しめる折り畳み自転車となることがわかります。

生産に関するきめ細かな内容は、Tartarugaデザイナー吉松さんの
ブログ(https://tartaruga.xsrv.jp/blog/type_s_how_its_made_1/)で詳説されているので、
興味のある方は覗いてみても面白いと思います。

・抜群の安定感

荷物を積むType SPORTを支えるのもう一つの特徴は走行時の安定感です。
「最高の街乗り車」と言われるType SPORTは、荷物を積んでいない時はもちろんのこと、重量のある荷物を
積載した時でも安定感で高いパフォーマンスを誇ります。

安定感を言葉で説明するのは難しいのですが、実際にType SPORTで本当に重たい荷物を積載して走ってみると、
重心が下になるためか、まるで4輪の乗り物に乗っている時のような感覚が近いように思います。

Type SPORTの積載時の安定感は、前述したフレームの剛性に加えてオプションパーツが専用設計であることが
生み出していると言えそうです。

フレームの剛性と走行時の安定感が下支えとなったType SPORTに、オプションパーツを組み合わせることで
高い積載性能が実現されています。ツーリングの際は、キャンプや旅行の荷物のほかに、思わぬ場所で
お土産を手に入れることも。そんな時に重宝するのが積載性能です。
Type SPORTには輪行ツーリングで活躍する積載性能がバッチリ備わっています。

②しっかり走れる

Type SPORTが輪行ツーリングに向いている2つ目の理由は『しっかり走れる』ことです。
一般的には折り畳んだサイズを重視した16インチ前後のモデルが多い一方で、Type SPORTのホイールサイズは20インチです。

実は20インチには2種類の規格があり、Type SPORTは大きい方の20インチが採用されています。
ホイール径が大きいことで、楽に早く走れる、段差に強い、摩耗しにくい、安定性が高まる、惰性で進む力が
強いなど、多くのメリットが得られます。つまり、長距離もしっかり走ることができるのです。

・乗り心地を生み出す独自のサスペンション

Type SPORTは前後にサスペンションを備えます。
フロントサスペンションは独特な形状のフロントフォークに、リアサスペンションはメインフレームと
リアフレームをつなぐ部分にあります。

サスペンションといえばマウンテンバイクのような深く沈み込む機構が広く知られていますが、
Type SPORTのサスペンションは、前後ともにほとんど沈まない設計になっています。
普段使いからロングツーリングまで快適に使えることを想定して、ペダリング時には力が逃げず、
路面の段差を越える時にはしっかり衝撃を吸収するよう意図的に作られています。

・バランスの良いギア構成

ツーリングをする上で脚力はあるに越したことはありませんが、もっと大事なのはギア構成です。
街乗りからロングライドまで、あらゆる道路に対して走りやすさを決めるのはギアの重さと軽さになります。

フラッグシップの「DX」とドロップハンドルの「GT」は、どちらもフロントダブルギアを標準装備しているため、
早いスピードで走ることも急な上り坂に対応することも可能です。
また、エントリーモデルの「SD」はフロントシングルギアですがリアに標準装備されたワイドギアによって
高い登坂性能を持ち合わせます。

折り畳み自転車の中でも大きいホイールサイズ、こだわり抜いてデザインされた乗り心地、あらゆる道路に
対応できる走りやすいギア構成。
これらの機能が組み合わされているのがType SPORTです。
Type SPORTは、輪行ツーリングで求められる未知なる道路をしっかり走れる
ポテンシャルを兼ね備えているといえるでしょう。


③ちゃんと折り畳める

Type SPORTが輪行ツーリングに向いている最後の理由は『ちゃんと折り畳める』ことです。

突然ですが、輪行ツーリングという言葉からどんな使い方が思い浮かぶでしょうか。
家から駅まで走って折り畳んで電車輪行して目的地の最寄り駅からは目的地まで走る、
という使い方を想定された方も多いと思います。

輪行ツーリングと一言でいっても使い方はたくさんあります。例えば、家からひたすら走って目的地に
着いたら美味しいものやお酒を楽しんで公共交通機関で輪行して帰る「行きだけ走る」パターンや、
その逆の「帰りだけ走る」パターン、先に折り畳んだ自転車を旅館やホテルなどの宿泊先に送って現地で
受け取った後に観光を楽しむ「現地だけ走る」パターンなど他にも色々考えられるでしょう。

話は少しそれましたが、どんなパターンであれ様々な輪行ツーリングを楽しむ上でちゃんと折り畳めることは必須の条件です。
そこで便利になってくるのがType SPORTには2種類の折り畳み方、「イージーフォールディング」と
「フルフォールディング」があることです。

・イージーフォールディング

Type SPORTにイージーフォールディングに必要な純正オプションパーツを装着すると、前輪とハンドルを
外すだけの簡単なステップで、スピーディーに折り畳むことができるようになります。

輪行ツーリングにおいて、公共交通機関を複数組み合わせた折りたたみ頻度が多いパターン、素早く
折り畳むことが求められるシチュエーションや、とにかく楽に畳んだり展開したい場合に重宝する折り畳み方です。
横から見ると大きく感じますが、幅は36cmと薄くなっているため見た目よりもすっきりした印象になります。
持ち運びの際は幅が薄い分、体に近いため持ち運びやすい形状です。

最も活用ユーザーが多い折り畳み方になります。

・フルフォールディング

イージーフォールディングと比べて後輪の着脱などステップは少し増えますが、ホイールのサイズと
ほぼ同じサイズでコンパクトに折り畳めるのがフルフォールディングの特徴です。

フルフォールディングをするにあたって別途必要な純正オプションパーツはなく、
車体の標準状態で折り畳むことが可能です。

リアキャリアーを装着した場合でも折り畳み動作とサイズに影響はなく、
安定感が増すため、より折り畳みやすくなります。

フルフォールディングは事前に宿泊先に自転車を送る場合や、電車が混み合う時間帯に輪行ツーリングをする際に
コンパクトさが活かされます。サイズが小さくなる=発送する際の送料が抑えられる、ことも嬉しい利点です。

Type SPORTは折り畳み自転車としてちゃんと折り畳めるだけでなく、2種類の折り畳み方を使い分けることで
様々な輪行ツーリングのパターンに対応できるのが面白いポイントです。
ときには車、電車、バス、飛行機、船やタクシーで輪行ツーリングに出かけてみたくなることもあるかもしれません。
そんなときに1台で2通りの折り畳み方を使い分けることができるType SPORTであれば、走行性能がまったく
一緒な2台の自転車を持っているのと同じようにも捉えられます。

以上、「Type SPORTが輪行ツーリングに向く3つの理由」の紹介でした。

◯まとめ

今回のType SPORTを紹介した記事はいかがでしたでしょうか?

ざっくりと進んだ部分もありましたが、Type SPORTが輪行ツーリングに向いているのは、荷物がたくさん積める、
しっかり走れる、ちゃんと折り畳める、の3要件を満たしていることが大きな理由であることを
少しだけでもお伝えできたら嬉しいです。

記事を書き終わった後にあらためて振り返ると、折り畳み性能を除いたら多くの点で輪行ツーリングに
向く折り畳み自転車の特徴は、街乗りにも使いやすい要件を満たしていることに気がつきました。

それがType SPORTが「最高の街乗り車」と呼ばれる所以なのかもしれません。
Type SPORTを含めて、折り畳み自転車を検討するときに参考にしてみてくださいね。

当店ではType SPORTの「DX」「GT」「SD」の3モデルすべての試乗車をご用意しております。
横浜の雄大な風景を楽しみながら乗り心地をゆっくりお楽しみください。
近隣にある「港が見える丘公園」に向かう急勾配な坂道では、Type SPORTの登坂性能を試せます。

Type SPORTの試乗車やオススメ試乗コースは「TARTARUGA試乗サービス]をご参照くださいね。

ではまた。