10月14日は、「 鉄道の日 」。
こんにちは、折り畳み自転車の鉄道輪行はもちろん、
鉄道の世界に魅了されているYo-sukeです。
今回は完全にプライベートの内容になりますが、『鉄道の日』ということで、
僕が鉄道の魅力に惹かれていったポイントとなる出来事をご紹介いたします。(^^)
それはある日のこと、祖父の写っている古い写真の発見に始まりました。
そこには一緒に、1両の電車が写っていたのです。
祖父は、僕が産まれる直前に他界しており実際に会うことはできませんでしたが、
湘南電気鉄道(現在の京浜急行電鉄)の
金沢文庫で工場長の仕事をし、その後京浜急行と合併する頃に
東急車輛で車両製作をしていたと聞いており、自宅のどこかに最初の新幹線の設計図が・・・。
それはさておき、
※真ん中で座っているのが祖父です。
写真の裏には、一緒に写っている関係者の方々の名前と
『 壱號 試運転 文庫ホーム 』 という文字が手書きで記されておりました。
その他、電車や機関車に関連する写真や書類関係が、この写真と一緒にたくさん出てきて
目を通すうちに、これは何なのだろう・・・とだんだん気になり、
自宅のお向かいに住む、京浜急行電鉄に勤務されている運転士さんに
写真など見て頂きながら相談したところ、いろいろ調べて下さり、
一緒に写っている電車は、1930年に浦賀(横須賀)~黄金町(横浜)間から活躍した
湘南電気鉄道の 『 デ1形 』という今でも名車と言われている、車両であることが判明。 (デ:電動車)
写真も1930年頃に撮影されたことがわかりました。(◎o◎)
さらに、写真と同じ車両がまだ保存されていて、
偶然にも自宅近くにあるとの情報も入り
祖父の仕事を、『 一目見たいッ!! 』 (>_<)
という気持ちをどうしてむ抑えることができず、
その後も発掘された、これはいったい何なんだ・・・というような
古い電車や機関車の写真や、鉄道関連の資料をたくさん持参して
京急ファインテック久里浜車両基地を、家族で訪ねることとなりました。
普段は、年に一度のイベント、『 京急ファミリーフェスタ 』を除き、
関係者以外の立ち入りができない場所なのですが、
このイベントが生憎日曜日の為、仕事の関係上参加することは不可能と
非常にがっかりしていたところ、
お向かいの運転士さんが掛け合って下さり、
京急電鉄側からの取材というかたちで特別にご対応下さりました。
ちなみにこの日のお供は、ブロンプトンでした♪ (^^)
久里浜車庫では、京浜急行電鉄の広報担当の皆様が出迎えて下さり、
TV番組『ほこ×たて』にも登場した京急の歴史に一番詳しいといわれる方にも
お会いすることができました。
※取材の様子です。
祖父の残していた写真や資料は、関係者の方でも初めて目にするような
昭和初期の大変貴重なものであったようで、工場の様子や部品、試運転の様子など様々。
身を乗り出して見たり、途中、感嘆の声が・・・(^v^)
ものすごく詳しく、当時の時代背景などの情報を教えてくださり、
写真や書類資料の謎がどんどん解けてゆきました。
今回持ち込んだ資料は、京急電鉄で情報資料としてコピーが保管されることになり、
取材の様子は、京急の社内報でご紹介頂きました。
情報交換を終えた後は、車両基地内をブロンプトンをゴロゴロ転がしながら移動。
確か、京急の車両は、赤以外に、白、青、先日ご紹介した黄色の『イエローハッピートレイン』
この日は、白いカラーの車両がメンテナンスされていました!
うわー、長い電車をどうやってメンテナンスするのか不思議でしたが、
あんなふうにバラバラに切り離して、それぞれ車庫でメンテナンスするんですね~~
と初めて見る光景にまず驚いていたところ・・・
いた・・・ッ!!
本命が見えてきましたッ!!(>_<) 心拍数が急上昇・・・ッ!!
なんとッ!!\(◎o◎)/!
駅舎のような屋根でガードされていて、普段目にとまりませんでしたが、
毎日の通勤電車から見えるメインの線路脇に保存されていたのです!
あまり意識したことがありませんでしたが、
あらためて電車に近付いてみると、でっかいなぁ~~(・。・;
いや、ブロンプトンがコンパクトなのかな・・・?
湘南電気鉄道 『 デ1形 』
写真と同じ顔! ついに実物と対面することができました!!(>_<)
(※この感動は僕にしかわかるまい・・・イインデスッ )
この、デ1号の保存車両は、当時の塗装へ最近復元されたそうですが、
昭和4年に製造され、昭和53年に全車廃車。
昭和53年に創立80周年記念として保存されたというコメントがありました。
最初の写真に祖父と一緒に写っていた方の一人が、後に京急電鉄の副社長をお務めになられたそうで、
父の話では、よく自宅に出入りされていたとか。
しかもこの方の提唱で一号のみ解体されずに保存されることになったそうです。(ToT)/
あの写真には、いろいろな思い入れを感じてきました・・・。
我が家に封印されていた『京浜急行八十年史』という百科事典並みの大きな本には、
電車だけでなく、地域の様々な移り変わりの歴史が記されているのですが、
どうやら本はこの時に一緒に製作されたようです・・・。
では、特別な許可を頂いて、前代未聞。
たぶん最初で最後。当時の最先端技術の結晶ッ!
湘南電気鉄道 『 デ1形へ輪行 』 を開始、車内をご紹介致します。
中は・・・
なんと木造!?
外見から、現在の電車と大きな差はないのかな~と思っていたのですが、
驚きッ!!細部まで細かく、まるで木製家具みたいでした。
吊革・・・は金属製!?
付け根の部分がバネになっていて外側へ跳ねるしくみのようです。
逆に荷物置きの棚は、金属でなくまさに網棚!
ランプもなんだかかわいらしい・・・。
この電車は、可能な限り輸入ではなく『 日本製 』にこだわって製造されたとか。
それぞれが職人技って感じがします。
シートの色や座席の位置などは、現在の京浜急行車両にも継承されているような様子です。
そういえば、金沢文庫に現在も残る佐々木家の旧家の床は電車の床職人さんに
造ってもらったとかで、ものすごく硬かったそうです。
車両のすみっこに寄せたかたちで運転席がありました。
現在の電車の運転スペースとはかなり異なりますね、カーテンで覆えるようになっているようです。
前の窓は上下に開閉できるみたいですよ~もちろん冷暖房はありませんから、夏は開けたのかな?
様々な鉄道の書物にも「窓の大きな電車」とコメントがありますが、
この『デ1形』は窓の大きさに特徴があり、
乗車されるお客様が大きな窓から、たくさんの景色を見られることが
祖父は自慢だったそうです。
様々な関連書物にも、『他に類のない大きさの窓』や『走るサンルーム』などのコメントがありましたが、
車体強度や安全基準の面から技術的にも、
当時窓を大きくすることがいかに困難なことであったか・・・広報の方が教えてくださりました。
色々訳ありで、現在でもここまで大きな窓の電車は無いのだとか。
『よし、最高の電車を俺たちで造ろう!』 日本製にこだわった最先端の名車、
乗車してみると、ほんとにこだわりを感じます。 う~んジブリあたりで映画にならないかなぁ~(^^)
ちょっとだけタイムスリップした気分になれました。
『 デ1形 』と愛車のブロンプトンのカラーが殆ど同じだったり、
僕が自宅や自転車のカスタマイズをレトロにしてしまうのは、もしや祖父の好みが遺伝してるのかな・・・。
※この電車の何が最先端ですごいのかについては、話が長くなるのでご興味のある方に
知っている情報をこっそりお教えしますネ♪(^_^;)
そして一緒に保存されているのが、京急のデゴイチ 『デ51』
こちらも、めちゃくちゃレトロな乗車口
中も木製。
定員は100人未満、いっぱいになると満員の表示がされたそうです。
現在の電車は通勤ラッシュでキツキツですが、
この頃の満車は電車から、乗客が溢れるくらいで走行することもあったらしいです。
ちなみに禁煙。
ほんとに装飾が細かく、かっこいい・・・
川崎大師あたりを走っていたこの電車の座席の柄にも意味があるんですよ~~♪
驚きは、運転席ではなく、運転台スペース!
立って運転をされていたそうです。
バネのついた金属製の吊革。
まだ吊革とは言わないのかな・・・
『 デ1形 』とは異なり実にシンプルな造りでした。
窓の日よけは、木製のものが下からでてきます。
職人技が満載です!
という感じです♪m(_ _)m
この一枚の写真から、身近や周囲の様々な歴史を知ることができました。
写真がなかったら、80年以上前の祖父の携わった足跡に触れることもできませんでしたし、
デ1形が保存されていなかったら、永久に祖父の仕事に触れることもできませんでした。
うまく例えられないのですが、
祖父達が大切に育てたでっかい恐竜が、自分たちに何かを伝えるために博物館でずっと待っていてくれたような。
そんな気持ちになり、目の奥が勝手に熱くなりました。
なるほど感動ってこうゆうことだ・・・。
時計やカメラ、自転車・・・モノを通じて何かを伝える 。
何かを残すって大切なことだなぁ~ 残してもらえたことにも心から感謝です。
祖父の想いはわかりませんが、 こうして僕の鉄道に対しての意識が覚醒していったのです。
巡り巡って、自転車と電車が線で深く繋がりました。
僕にできることはなんだろう・・・
まずは鉄道を使った自転車輪行の楽しみ方を一層広めてゆこうと思います。
そして僕達の整備する自転車達も、皆さまの歴史に貢献して
世代をこえてご愛用いただけたら嬉しいです。
メンテナンス等、是非ご相談くださいネ(^^)
そういえば僕も、駅勤務なのお気づきでした?
Green Cycle Station ◇ Yo-suke。
京浜急行電鉄関係者の皆様、私共の為に様々ご配慮下さり大変ありがとうございました。
この場を借りて心より、深くお礼申し上げます。